一時期の格安SIMは値段がどんどん下がっていったり、通信量がどんどんあがっていったりと、何か発表があるたびに驚かされたものです。そんな格安SIMも価格や容量はほぼ落ち着いたようで、今は各社が特徴的なサービスで違いを見せてきていますね。
そんな中、格安SIMの大御所IIJmioが販路を拡大して郵便局で販売を始めるそうです。
参考
IIJ、個人向けモバイルサービス「IIJmio高速モバイル/Dサービス」とSIMロックフリー端末をセットにしたIIJmioの格安スマホを、郵便局に設置するカタログで販売開始IIJ
IIJmioとは
株式会社インターネットイニシアティブが提供する個人向けモバイルデータ通信サービスです。
って言うと、何かものすごいお硬いサービスっぽく聞こえますね。要は格安SIMを提供するサービスということです。
IIJmioというと、格安SIMを提供する会社の中でもかなり先駆けの存在です。私も1回線契約しておりますが、契約した当時(2012年頃)は他の格安SIMというと日本通信のb-mobileくらいのものでした。ちなみに、当時のプランは500MBで980円でした。今から考えるととてつもなく高いですね。
今でも回線の安定度は評判が良いですが、それは当時も同じ。それに、バースト機能や高速通信のON/OFFを切り替えれるアプリ、てくろぐによる技術情報など、機能や技術面でのサポートは目を見張るものがあります。
郵便局で買える格安スマホ
郵便局で買える、といっても郵便局員が販売するわけではなくカタログを郵便局に置いて、そこからIIJmioのスマホを買うことができるということのようです。郵便局というと、どんな田舎でもひとつはあるため、高齢者等のスマホ初心者といった顧客獲得が期待できそうです。
販売するものは端末セットのプランのみ。プランもひとつで、ミニマムスタートプラン(データ通信量:3GB)+音声通話のみおふぉんプランで。月々1,600円となるが、そこに端末代が追加される。
端末は富士通の「arrows M03」で端末代は一括で32,800円。24回の分割払いも可能。詳細なスペックはこちらですが、5インチの画面にAndroid6.0という最新仕様。RAM2GB、ROM16GBと、スペック的にはミドルクラスだが、ターゲットとなるスマホ初心者や高齢者には十分すぎるスペックですね。
どうやって買うの
IIJ mioのプレスリリースを引用します。
- 郵便局店頭に設置したカタログを入手いただき、電話もしくは付属のハガキで「申込書」をご請求
- 申込書一式が郵送で届きますので、ご記入のうえご返送
- 設定済のスマートフォンがお客様の手元に郵送で届き、電源を入れるだけで使用可能
郵便局のカタログはあくまでも商品紹介用。そこから申込書を請求する。イオンやビックカメラの店頭であれば、販売員に購入意思を伝えることにより申し込み書を持ってきてもらってそこで契約することができます。しかし、郵便局員は販売員ではないため、あくまでも「郵便局に置いてあるカタログからIIJmioを申し込む」という形をとるということですね。
ただし、ターゲットとしている高齢者やスマホ初心者が困らずに使えるよう、SIMカード設定済みの状態で商品は送られてくる。また、非売品の入門解説ガイドが特典としてついてくるそう。
また、郵便局専用のコールセンターも設置する。これは利用者にはうれしいですね。
なお、カタログを置くのは岐阜県、愛知県、静岡県、三重県の郵便局計2,050局。評判によっては順次全国展開していくとのこと。
まとめ
今回の販路というのは実によく考えられていると思います。
通信量や料金といった目に見える面では競争が落ち着いた感がある業界で、いかに顧客を獲得しようかと考えた時に、どうやってスマホに興味ない層を取り込むかが重要だと思います。その中で、郵便局というと人口が少ない地域でも必ずあると言っても過言ではありません。そこに通う高齢者が手にとる機会があれば新規顧客獲得に繋がるでしょう。
また、販売方法も端末とプランを限定することにより購入に迷わないですし、専用のコールセンターも設置するということで、初心者にはかなりやさしいですね。
あとはただカタログを置くだけでなく、どうやって郵便局に来た方に訴求していくかですね。ただ単にカタログを置くだけではほとんど売れないでしょう。そこを郵便局員が何かしらの働きかけを行うのか、それとも何かしらのキャンペーンをうっていくのか。
どれだけの顧客獲得の効果があるか、今後の展開が興味深いですね。