50系プリウスに搭載されているToyota Safety Sense Pの機能のひとつであるオートマチックハイビーム。
周囲の車両の光源を検知してロービームとハイビームを自動で切り替えてくれる機能です。最初はこんな機能使わないだろうなぁと思っていましたが、使ってみたら非常に便利で、今ではこれなしでの夜の運転は考えられません。
きっと重宝されている方も多くいると思います。
でも、時々うまく切り替わらない時あるなぁって思いませんか。まさしく、今日の仕事帰りがそんな状況で、対向車が来ても前方に車両がいても全然切り替わらなくて最終的にはオフにしてしまいました。
というわけで、なんでそうなるのか調べてみました。
オートマチックハイビーム
最近のトヨタ車には標準装備ではないかというほど、ほとんどの車に装着されています。Toyota Safety Sense C、Toyota Safety Sense Pの中のひとつの機能となっています。
ハイビームとロービームを自動で切り替え、夜間の歩行者などの早期発見をサポート。切り替え忘れを防ぐほか、手動操作の煩わしさも軽減します。
引用:toyota.jp
その名の通り、自動でロービーム、ハイビームを切り替えてくれる機能です。夜間の走行は基本ハイビーム、前方車両や対向車がいる場合のみロービームが原則です。ちなみに、これは道交法で決められており、違反すると罰金がありますよ。ただし、対向車や前方車両がいる場合はロービームに切り替えないとこれも道交法違反で罰金になります。
対向車ってそれなりにいるのでこれをいちいち切り替えていたら大変ですよね。それを全部自動でやってくれるのがオートマチックハイビームです。便利ですよ。
ロービームとハイビームがうまく切り替わらない
オートマチックハイビームをオンにしているのに、うまくロービームとハイビームが切り替わらない時は何が原因なのでしょうか。まずは作動原理を調べてみます。
どうやって自動でロービームとハイビームを切り替えているのか
自動で切り替えるということはどのような情報によって切り替えの判断をしているのでしょうか。
切り替えの基となる情報は車室内ミラーの裏側についている単眼カメラからの情報になります。
カメラで前方の車両有無や明るさ等の状況を判断してハイビームからロービームに切り替えるべきかを制御しています。
ロービームとハイビームがうまく切り替わらない原因
まず考えられるのは、カメラが前方車両、対向車を検知できていないことが考えられます。
単眼カメラはその名の通り、カメラです。そのため、物理的に覆われて前方が見えなくなれば前方車両も対向車も検知できません。例えば、雪が付着しているとか、雨水によって葉っぱが貼り付いているとか、物理的な要因がないか確認しましょう。そして、もし何か付着していたらきれいに取り除きましょう。
次に考えられるのは、天候に寄って前方車両、対向車を検知できない場合です。
カメラで検知している以上、濃霧の時や大雨・大雪で視界が悪いときにはカメラでも車両の検知は非常に困難です。人の目でも確認が困難な状況ではカメラで車両検知がより困難なことは想像できるでしょう。
最後に、故障している場合です。
こればかりはどうすることもできません。車両を検知している単眼カメラの故障や切り替えを制御しているコンピュータの故障が考えられます。この場合は、おそらく何かしらのウォーニングメッセージがメーターに表示されると思いますので、ただちにディーラーでみてもらいましょう。
オートマチックハイビームが苦手とする状況
とても便利なオートマチックハイビームですが、前方を映すカメラで検知している以上、切り替えが遅れるケースが存在します。
特に多いのが道路環境による影響です。見通しの悪いカーブや急激な坂道が代表的なケースです。
カメラで検知している以上、検知できる範囲は車両前方に限られています。そのため、見通しの悪いカーブや急激な坂道などで、ギリギリまで近づかないと前方車両、対向車が自分の車の目の前にあらわれない場合は、たとえドライバーが気づけたとしてもカメラでの検知は難しいです。そのため、本当にすれ違う段階で初めて検知して切り替えを行います。
手動であればドライバーが前方車両を認識できた段階でロービームに切り替えようとするけど、オートマチックハイビームではすれ違う直前に切り替えを行わざるをえないため、そのギャップにドライバーはうまく切り替わっていないと感じる可能性があります。
上記以外にも多くの作動しない、作動が遅れるケースがありますので、取扱書を見て確認しておきましょう。
うまく切り替わらない時の対処方法
対処としては、事後対処と未然対処の2点あります。
事後対処
運転中に切り替えがうまくできていないなと感じたら、ロービームに切り替えれないことによる他車への迷惑のおそれがあるため、オートマチックハイビームの使用をやめましょう。そして、どこか駐車できる場所があれば駐車して、カメラに物理的な付着物が付いていないか確認します。故障していなければ大体のケースはこれで解消されると思います。
未然対処
運転前にカメラに付着物がないか確認する癖をつけると、未然防止ができます。カメラ自体は、いわゆる自動ブレーキであるプリクラッシュセーフティ機能でも使用している部品のため、正常に作動する状態にしておかないと防げる事故も防げなくなる可能性があります。
どうしても解消しない場合は
対処しても解消しなかったり、うまく作動しないことが続く場合はディーラーで見てもらいましょう。こればかりは運転者では判断できません。
今日の私は
冒頭で、今日の仕事帰りにうまく作動しなかったと書きました。
上記の事後対処ということで、運転途中にコンビニに寄って確認してみたところ、カメラ箇所のガラスが凍結していました。それで霜がはって前方をうまく検知できていなかったようです。
そのため、あたためてゴシゴシして付着物をなくしたところ、正常に切り替わるようになりました。
まとめ
オートマチックハイビームは非常に便利な機能です。
しかし、近年の便利機能はいつでも確実に作動するわけではありません。どういう原因で作動しなくなることがあるということやどういう状況下ではうまく作動しないかなどを事前に知っておくと、実際にその場面に遭遇した時に慌てず対処することができます。
特に近年の安全装備は重大な事故につながる恐れがありますので、取扱書等で事前に確認しておくことをおすすめします。
オートマチックハイビームについては、うまく作動しない時はカメラ前方に付着物がないかを確認し、どうしても解消しない場合はオートマチックハイビームを使用するのを止め、手動で切り替えるようにしましょう。