ある朝、いつも車を置いている場所に車が無かったらどうしますか。
いやいや、そんなことあり得ないでしょう、と思う方もいるかもしれませんが、年間で車両本体の盗難は300件近くにものぼります。車両本体ではなく、部品だけの盗難も含めれば年間で850件の車両盗難が起こっています。
そして、そのターゲットとされた車両のトップが4年連続でプリウスとなりました。もちろん市場に出回っている車両の数が多いというのもあるでしょうが、プリウス乗りにとっては恐ろしいことですよね。
第19回自動車盗難実態調査結果発表
本調査は一般社団法人日本損害保険協会が行ったもので、2000年から調査を開始し、2017年11月度の調査で19回目となりました。
その結果はプリウス乗りとしては嬉しくない結果となりました。
以下が結果となります。日本損害保険協会のHPより引用させていただきます。
- プリウス 62件(22.3%)
- ランドクルーザー 32件(11.5%)
- ハイエース 28件(10.1%)
- レクサス 25件(9.0%)
- スカイライン 14件(5.0%)
- クラウン 11件(4.0%)
- アクア 9件(3.2%)
- キャンター、フォワード 7件(2.5%)
- マーク 6件(2.2%)
- アルファード、ヴェルファイア、エルフ 5件(1.8%)
2位のランドクルーザーが32件なので、ほぼ2倍という62件の盗難被害があります。車両盗難の全体の22.3%という、5台に1台でプリウスが盗まれているということです。
そして、こちらも嬉しくないですが、2014年から4年連続でワースト1位という結果です。
なぜプリウスが狙われるのか
車格などを考えれば、リセールバリューが高かったり、海外への輸出での利益が高そうなランクルやハイエースが盗まれそうな気がしますが、なぜプリウスがワーストなのでしょうか。
その理由として以下の2点があげられるそうです。これはディーラー努めの知人に聞いた話です。
- 中古パーツの需要が高い
- HVは走行音が静か
中古パーツの需要が高い
まず、HV関連部品、特にHVバッテリーは非常に高価です。
HV車は燃費が良く良い面ばかりアピールされますが、HVバッテリーには寿命があります。メーカー保証は新車から5年または10万Kmと設定されています。もちろん寿命がそこまでとは限りませんし、メーカーもある程度マージンは持っているだろうと思いますので20万Kmくらいは持つんじゃないかなと思います。
しかし、いずれは必ず寿命がくるものです。そして、その交換費用は50万円ほどかかると言われています。日本では10万Kmくらいで車を買い換える人が多いため、カーライフの中で交換にでくわす人はあまりいないと思いますが、海外では30万Kmくらいは平気で走ります。そうなると、必ずHVバッテリー交換の時期がきます。
そして、高額な交換費用を請求されるわけです。なら、安い中古を買えばいいじゃないという話です。
噂では海外のオークション等で安く中古品が出回っているようで、それらが盗難車両から部品取りしたものだと言われています。
その他、HVバッテリー以外にも中古パーツの需要はあるようで、結構な高値で売れるようです。
HVは走行音が静か
走行する際の静粛性はプリウスの良い面のひとつですよね。
しかし、これが仇となっております。盗難する際も走行音が静かなのでばれにくいのです。HVのEV走行時は車が近づいてきたことがわからないくらい静かですよね。それが静か過ぎるということで、HV車には疑似走行音を鳴らすように義務付けもされてきております。
そして、静かすぎることにより盗難が増える原因がもうひとつあるそうです。
盗難したプリウスで別の盗難を行うということです。結局静かに走行できるため、その他の盗難にも使い勝手がいいのでしょうね。
盗難を防ぐためには
このような現実がある中で、我々プリウスオーナーはどんなことができるでしょうか。少し考えてみました。
セキュリティの強化
プリウスには標準でセキュリティアラームとイモビライザーが装備されています。セキュリティアラームは無理やり鍵を開けようとした時に警報が鳴る機能です。イモビライザーは車両に登録した鍵でしかエンジンがかけれないようにする機能です。
しかし、それらはすでにすり抜けるための手法が開発されて、専用ツールを簡単に買うことができます。
そのため、社外品のセキュリティを取り付けることをおすすめします。
社外品のセキュリティの基本機能は標準設定のセキュリティアラームと似ていますが、破られにくいようにメーカーが対策を施しております。標準のアラームは共通仕様なので簡単に破られちゃいますね。そして、セキュリティを装着しているということを明示することにより、窃盗犯に盗難を諦めさせるという未然防止の役割も果たします。
ドライブレコーダーの活用
最近のドライブレコーダーは常時電源接続により駐車中も撮影できる機能を持っています。撮影することにより犯人を録画でき、それを元に犯人特定に役立てることができます。そうすれば車両を盗まれても返ってくる可能性が高まりますね。まぁ、返ってきた車両が盗まれる前の状態かどうかは置いといて・・・。
そして、駐車監視機能付きドライブレコーダーのおすすめは3月9日発売予定のユピテルのSN-SV70cです。夜間でも昼間と同じような鮮明な映像を録画できるSUPER NIGHTモデルです。盗難は夜間に行われることが多いのでぴったりですね。
車両保険にはいる
これは盗難された後の安心という意味ですが、車両保険に入っておけば万が一車両盗難に合っても車両保険分の費用を保険でてにはいります。特に車がないと生活が成り立たない人や仕事で必ず必要な人はすぐにでも代替の車が必要になると思いますので、入っておくことをおすすめします。